2018年05月

コンサートの思い出④〜5月を振り返って

皆さま、こんばんは!もうすぐ5月が終わります。

前回のブログまで書き続けてきた【英米歌曲の夕べ】をはじめ、5月はお仕事やコンクール、オーディション、合間を縫ってオペラの稽古と、なかなかハードなひと月となりました。

一曲一曲を丁寧に、楽譜に書いてあるこを誠実に歌うことの難しさと大切さを改めて感じるとともに、そこに生まれる発見の喜びを噛み締めることもできました。

そうして見つけた『いまの私の歌』は、お客様の前で歌ってはじめて完成するのだということも、強くつよく感じました。
やはり本番にかけてみなければ分からない自分の感情や楽曲の表情があるのですね。

お客様の前で歌うということは喜びばかりではありません。そこに至るまではまさに茨の道で、正直に申しますとシンドイ、と思うことの方が多かったです。自分の理想とする表現になかなか行き着かず、フラストレーションが溜まることもしばしば。
しかしそんな時、ちょうど良いタイミングで的確にアドバイスをくれたり、明るい会話で笑顔にさせてくれたり、私の音楽を楽しみにしているよ、と伝えてくれる人が、私には沢山いました。

私はひとりで歌っているわけではない。
いつでも歌わせてもらっている。
頂戴するあたたかな気持ちに、今できる誠実な音楽でお返しをしていきたい。

これが私の歌うモチベーションだということを確信して、新しい6月は進もうと思います。
ではまた〜😘








コンサートの思い出③〜プログラム後半

やっとプログラム後半の思い出をば!
(大変お待たせいたしました〜💦)



プログラム後半はイギリス人作曲家の作品をお送りいたしました🇬🇧

ブリテン編曲の〈夏の最後のバラ The last rose of summer〉でスタート。このアイルランド民謡は日本では『庭の千草』としてよく知られています(美空ひばりさんの歌唱は本当に素晴らしいですよね✨)。
多くの作曲家のアレンジが存在しますが私はこのブリテンの編曲が一番好きです。美しいまでに物哀しい!

次はイギリス歌曲の作曲家としては外せないクィルターを2曲。特に音楽は、優しい声が消えても Music, when soft voices dieは私が留学中に教えを受けたYvonne Kennyさんの素晴らしい歌唱を聞いて以来、ずっと歌ってみたかった曲。クィルターの音楽もさることながら、その詩の美しいこと!!

そして次はホルストへ…。
とその前に。
本番数日前にピアノ伴奏で主人の巨瀨励起から提案があり急遽、ここにもう一曲挿入することになりました。それがこちら💁‍♀️

Kosaku Yamada
〈Music, when soft voices die〉

そう、山田耕筰編曲のものがあったんです!
彼がベルリンに留学していたごく若い時代の作品ですが、こちらはクィルターとはまた違った力強さのある美しい作品でした。

では本編へ戻って。
組曲〈惑星〉で有名なホルストもまたイギリス音楽を語るのに外せないですね。神への祈りを歌った曲は静かな強さを持っています。

続いてピアノソロでエルガーをご紹介。
そしてプログラム最後のセクションはクラークブリッジを。
クラークは以前ブログで紹介したとおり、私がひと聴き惚れした女性の作曲家。今しかない!とばかりにプログラムにねじ込みました 笑
仄暗さの中にイギリスらしい灰色の空と美しい響きを感じます。

すべてのプログラムを歌い終え、有難くも鳴り止まぬ拍手を頂戴いたしましたので、アンコールに一曲!
F.P.トスティ〈星明り Starlight〉を歌いました。なぜトスティ?と思う方もいらっしゃるかと思います。トスティはイタリア語の歌曲を沢山残したことで有名なローマ生まれの作曲家です。
しかし彼は1880年頃からイギリスへ渡り、イギリス人女性と結婚。そしてSirの称号を授与された人物であり、英語の歌曲も多く書いています。
〈星明り〉の明るく朗々と歌い上げるそのメロディラインはまさしくイタリア特有のもの。
お客様にも沢山の『へぇ〜💡🔆』をいただけて締めにはピッタリの曲となりました💯



はぁ。思い入れが強すぎてプログラムを紹介するだけでこんなに時間がかかってしまいました😜
次回はいよいよコンサート後記と今後の出演情報をお届けしたいと思います!
ではまた😘

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☆後半はブラックと濃いピンクのドレスでシックにまとめてみました。終演後にメンバーでパチリ☆

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☆お客様からいただいた鮮やかな花たちはいまもわが家で私を喜ばせてくれています☆












コンサートの思い出②〜サプライズと来月のPivot!

コンサートの前半を祖父の絵と伴奏者でありながらその美声を披露し会場を笑いで溢れさせた主人のスペシャルコラボによるコープランドで終え。
次はPivot!さん名物の『お誕生日が5月の方をお祝いしよう』コーナー。

そこで驚きの偶然が!
実はこの日、主人に人生で初めてピアノを教えてくださった先生が福岡からいらしてくださっていたのですが、なんと!

その先生が5月生まれ❗️
そしてこの夜は先生おひとりのみ‼️

ですので彼女のためだけに主人はピアノで、私と林さんそして会場のお客様みんなでハッピーバースデーの歌をプレゼントさせていただきました。
心なしかリハーサルの時よりも主人のピアノの音が暖かく感じられました😚✨✨
先生、おめでとうございます㊗️㊗️㊗️

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そのあと、出演者から一曲プレゼントしまして、ここでお客様はお食事タイム🍽
レストランMaestroさんのイタリアンはとても美味しくボリューム満点。まだ行かれたことがない方は是非一度お試しください😆👍💕


ちなみに来月のPivot!vol.46はランチタイムでのコンサートです。
♫6月26日火曜日 11時30分スタート♫
♫料金 4,500円
(アトレ会員 3,500円)パスタランチ付♫

【出演】
バス 山田大智さん
バリトン 村松恒矢さん
テノール 岸波愛学さん
ピアノ高田絢子さん


男声のみのプログラムはとてもパワフルなものになるでしょうし、加えて皆さん芸達者。喋りもお上手ですし、イケメン揃い!
ご予約は下記メールアドレスにて承っております。
6月のランチタイムコンサート予約の旨とご予約者さまのお名前人数をご明記ください。

【メールアドレス】
 pivotopera@yahoo.co.jp


宣伝をしていたらまたもや長文に😅
次はコンサート後半の様子をお伝えします!
ではまた😘













コンサートの思い出①〜プログラム前半とおじいちゃん

皆さま、こんにちは!ソプラノ 倉本絵里です。本日のブログでは先日終わったディナーコンサート&初リサイタル【英米歌曲の夕べ】について、思い出や感想を何度かに分けてゆるゆると、いつものペースで綴ってみたいと思います。


まずは先日も書きましたが、英米歌曲の魅力をお客様に伝えられたことが私の一番の喜びとなりました。
そのためにも重要だった曲選び。
プログラムを構成する際に考えたことは、①歌いたい曲を歌うこと②出来るだけイギリスとアメリカの主要な歌曲の作曲家を並べること。
紹介したい美しい作品は沢山ありますが、まずは英米歌曲に馴染みのない方でもこの世界に入りやすいように、と考えました。

☆プログラム☆
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第1部がアメリカの作曲家。
『アメリカ音楽の父』とも言われ、日本語でもよく歌われる〈草競馬〉や〈故郷の人々(スワニー河)〉、〈ケンタッキーの我が家〉でお馴染みのフォスターからスタート。
そこからは、今も元気に作曲活動をなさっているローレムさんから順に時代を遡っていく形でバーンスタインバーバーコープランドと続けました。

コープランドは以前のブログでもご紹介した大好きなSimple gifts シンプルな贈り物http://soprano-kuramotoeri.blog.jp/archives/31004037.htmlI bought me a cat 私は猫を買ったの2曲を。

〈私は猫を買った〉は沢山の動物とその鳴き声を楽しむ曲です。絵の得意な祖父に小道具作成をお願いし、歌に合わせて使わせていただきました。お客様にも大変好評♫
おじいちゃん、ありがとう💕
これからもずっとずっと大切に使うね😊✨✨

☆実際の絵と祖父母の写真☆
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私の祖父は昨年米寿を迎えました。とても元気です。
私の中にある祖父は、大きくてハリのある声(私の声の大きさはこの祖父譲り、と幼い頃から言われています)と明るい笑顔、そして勉強すること・絵を描くこと・運動することを何よりも好む、素敵な男性です。あとお風呂に入ることも大好き。
祖父は今でも毎日机に向かって英語の経済書を自分で訳してみたり、散歩や畑仕事、パークゴルフを楽しんでいます。

そして特に、今回大活躍だった絵に関して。
現在はあまり書かなくなったようですが、幼い頃、私が祖父の家に遊びにいくといつも油絵の具の匂いがしていました。
2階の和室の床に新聞紙を広げて大きなキャンバス(天井まで届くような!)を置いて創作していたように思います。どこかの大きな絵画展?に入選したこともあるようです。
我が家にも祖父が書いた絵が飾られていますし(ちなみにお得意は『牛』)、祖父から毎年の年賀状は今でも彼が1枚ずつ手書きしたものです。

あぁ、祖父の話しをしていたらいつものように長くなってしまいました!!
本日はこのあたりで。
ではまた〜😘









英米歌曲の夕べ、done!

☆御礼☆
昨夜、たくさんのお客様にご来場賜り、初のリサイタルとなります【英米歌曲の夕べ〜Pivot!vol.45が終了いたしました。

激励くださったすべての皆さまに厚く御礼申し上げます。
また、音楽会としてはまだまだマイナーなジャンルに入ってしまう『英語の歌曲だけでコンサート』という企画を一つ返事で快く受け入れ、当日まで万全のサポート体制で臨んでくださったチームPivot!には感謝の言葉しかありません。

終演後にお客様から頂戴した「英語の歌曲って素敵なんですね!」「もっと聞いてみたくなりました!」というお言葉が、これからの私の活動の財産となりました。

まだまだその入口を覗いたばかりの英米歌曲の世界。これからも丁寧に繊細に新しい世界の扉を開け、私が感じる喜びを皆さまと分かち合えるよう精進してまいります。

ソプラノ 倉本絵里
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左からピアニスト 巨瀨励起さん、倉本絵里、MC 林よう子さん