皆さま、こんばんは!ソプラノ 倉本絵里です!
スザンナでなくなってから早いものでもうすぐ一週間。
実はこのスザンナを全幕歌うにあたり、年が明けても基礎体力が全く足りていない状態で、走って歌ってまた走って、をお稽古で繰り返すと肩で息をするくらいにアップアップする有様でした。
これではいかん、と緊急体づくり・体力づくりを決行!
とはいえ。
このブログを長くご覧くださっている方にはすでにバレバレのとおり、運動が得意ではない、というより運動する気持ちになるまでに心のハードルを10くらいは超えなければならない私。苦笑。
どうしたものかと考えてYouTubeで見つけた【マンションでもできる】【立ったままできる】【子鹿並の脚力でもOK】【4分だけ】という、モノグサーな私のためにあるような動画に飛びつき、本番まで毎日、このBGMが流れたらベッドから飛び起きるくらいにはやり込みました。
そのお陰でどんどん体力がつき、走り続けても息切れしないうえに歌うのにもとっても楽な体を仕上げるに至りました。
間に合って良かった!
というわけで。
続けてきた運動をすぐに辞めてしまってはケガの元なので(…そもそもスザンナを毎日歌うこと自体が究極の運動)、今も継続しています。
前置きが長くなりました。(通常営業)
本日はヒカリのお話し。
オペラで “ヒカリ” といえば照明です。
今回の《フィガロの結婚》では照明家 成瀬一裕さんとそのチームの皆さまがため息が出るほど美しく、また今回の演出を完全に取り入れヒカリがモーツァルトの音楽を歌っているような生命の躍動を感じる照明を作ってくださいました。
その中に立てることの喜びと有り難さといったら!!
幸い私はダブルキャストでしたので、自分が降り番のお稽古(自分が歌わない日のお稽古のこと)は客席からヒカリを眺める時間を取ることができました。
このヒカリが何を表現しているのか、
どこから差しているのか、
サス灯りなのか、
はたまたシーリングスポットで追ってくださっているのか、
この色のヒカリとこの色のヒカリにはこんな違いと意味が、
この音でこの絞りを!!くぅぅぅぅぅぅう!!!(歓喜)
と、ひとり客席で嬉しさのあまり悶えておりました。笑
それほどに、お客様の視覚に訴え世界を大きく作り変える照明は私たちアーティストの最高の味方です。
逆にいえば。
ここからは完全に私の個人的な意見ですが、与えられたヒカリを捉えその中を【美しく正確に立つ・動く・止まる】【影がどのように落ちるのかを計算して顔や体の角度を見極める】という作業ができなければオペラ歌手とはいえません。
自分のためにヒカリがあるのではなく、ヒカリが創り出すオペラの舞台・世界のために自分が板の上に居て、自分はその世界を形成する小さな小さな1ピースでしかないのです。
そしてこのことを生まれ持ったセンスで一発でできる方もいらっしゃいます。
私の場合、自分にセンスがあるとは1mmも感じたことがないので。苦笑。
可能な限りLIVEのヒカリを自分の目で見て確認、
記録動画を見て覚え込み、
それでも不安なときはステージを使わせていただける時間に実際にステージ上で自分の立ち位置・マエストロの位置・袖幕、この三点の関係で位置を体に叩き込む。
その場所に至る動線の最中に自分に何が見えていたら正解なのかを入念にチェックする。
上記を徹底するようにしています。
ここまでしても、G.P.でヒカリに入ることができず、演出家に諌められたという小っ恥ずかしい経験も実はしております。
それほどに私は、ヒカリとヒカリを作ってくださったその想いを情熱を大切にしたい、何も持たない自分のパワーに変えたいのです。
自分のために誰かが何かをしてくれることは、仕事と片付けるには余りある、スペシャルなこと。
成瀬さんとは親しくお話しさせていただくことも多々あり(成瀬さんはとてもジェントルマンな方です)、「貴女のためにもっと良い灯りを作りますよ!」といつも励ましてくださいます。
心を頂戴したからには私が持てる全てでお返ししたい、と強くつよく思うのです。
今回、私が照明チームの皆さまの心に応えられたかどうかは分かりません。
それはご覧いただいたお客様が判断くださること。
私が言えることは、これからもヒカリノサスホウヘ、諦めずに謙虚に丁寧に進んでいきたいということ。
そう心から思える貴重で愛おしい舞台と時間をありがとうございました!
ではまた😘

☆札幌文化芸術劇場 hitaru公式Facebookより転載
(KHPの写真ですね)
(本番はこのヒカリがさらに進化したものになっていたと思います)
第三幕結婚式終盤
スザンナから逢引の手紙を受け取り着々と準備を整えようとする伯爵。
自身が仕掛けた罠にまんまと嵌まる伯爵を、心のうちに渦巻く寂しさを隠しながら厳しく見つめる伯爵夫人。
伯爵がどう出るかを見極めるスザンナ。
何も知らないフィガロと結婚式の参列者たち。
スザンナでなくなってから早いものでもうすぐ一週間。
実はこのスザンナを全幕歌うにあたり、年が明けても基礎体力が全く足りていない状態で、走って歌ってまた走って、をお稽古で繰り返すと肩で息をするくらいにアップアップする有様でした。
これではいかん、と緊急体づくり・体力づくりを決行!
とはいえ。
このブログを長くご覧くださっている方にはすでにバレバレのとおり、運動が得意ではない、というより運動する気持ちになるまでに心のハードルを10くらいは超えなければならない私。苦笑。
どうしたものかと考えてYouTubeで見つけた【マンションでもできる】【立ったままできる】【子鹿並の脚力でもOK】【4分だけ】という、モノグサーな私のためにあるような動画に飛びつき、本番まで毎日、このBGMが流れたらベッドから飛び起きるくらいにはやり込みました。
そのお陰でどんどん体力がつき、走り続けても息切れしないうえに歌うのにもとっても楽な体を仕上げるに至りました。
間に合って良かった!
というわけで。
続けてきた運動をすぐに辞めてしまってはケガの元なので(…そもそもスザンナを毎日歌うこと自体が究極の運動)、今も継続しています。
前置きが長くなりました。(通常営業)
本日はヒカリのお話し。
オペラで “ヒカリ” といえば照明です。
今回の《フィガロの結婚》では照明家 成瀬一裕さんとそのチームの皆さまがため息が出るほど美しく、また今回の演出を完全に取り入れヒカリがモーツァルトの音楽を歌っているような生命の躍動を感じる照明を作ってくださいました。
その中に立てることの喜びと有り難さといったら!!
幸い私はダブルキャストでしたので、自分が降り番のお稽古(自分が歌わない日のお稽古のこと)は客席からヒカリを眺める時間を取ることができました。
このヒカリが何を表現しているのか、
どこから差しているのか、
サス灯りなのか、
はたまたシーリングスポットで追ってくださっているのか、
この色のヒカリとこの色のヒカリにはこんな違いと意味が、
この音でこの絞りを!!くぅぅぅぅぅぅう!!!(歓喜)
と、ひとり客席で嬉しさのあまり悶えておりました。笑
それほどに、お客様の視覚に訴え世界を大きく作り変える照明は私たちアーティストの最高の味方です。
逆にいえば。
ここからは完全に私の個人的な意見ですが、与えられたヒカリを捉えその中を【美しく正確に立つ・動く・止まる】【影がどのように落ちるのかを計算して顔や体の角度を見極める】という作業ができなければオペラ歌手とはいえません。
自分のためにヒカリがあるのではなく、ヒカリが創り出すオペラの舞台・世界のために自分が板の上に居て、自分はその世界を形成する小さな小さな1ピースでしかないのです。
そしてこのことを生まれ持ったセンスで一発でできる方もいらっしゃいます。
私の場合、自分にセンスがあるとは1mmも感じたことがないので。苦笑。
可能な限りLIVEのヒカリを自分の目で見て確認、
記録動画を見て覚え込み、
それでも不安なときはステージを使わせていただける時間に実際にステージ上で自分の立ち位置・マエストロの位置・袖幕、この三点の関係で位置を体に叩き込む。
その場所に至る動線の最中に自分に何が見えていたら正解なのかを入念にチェックする。
上記を徹底するようにしています。
ここまでしても、G.P.でヒカリに入ることができず、演出家に諌められたという小っ恥ずかしい経験も実はしております。
それほどに私は、ヒカリとヒカリを作ってくださったその想いを情熱を大切にしたい、何も持たない自分のパワーに変えたいのです。
自分のために誰かが何かをしてくれることは、仕事と片付けるには余りある、スペシャルなこと。
成瀬さんとは親しくお話しさせていただくことも多々あり(成瀬さんはとてもジェントルマンな方です)、「貴女のためにもっと良い灯りを作りますよ!」といつも励ましてくださいます。
心を頂戴したからには私が持てる全てでお返ししたい、と強くつよく思うのです。
今回、私が照明チームの皆さまの心に応えられたかどうかは分かりません。
それはご覧いただいたお客様が判断くださること。
私が言えることは、これからもヒカリノサスホウヘ、諦めずに謙虚に丁寧に進んでいきたいということ。
そう心から思える貴重で愛おしい舞台と時間をありがとうございました!
ではまた😘

☆札幌文化芸術劇場 hitaru公式Facebookより転載
(KHPの写真ですね)
(本番はこのヒカリがさらに進化したものになっていたと思います)
第三幕結婚式終盤
スザンナから逢引の手紙を受け取り着々と準備を整えようとする伯爵。
自身が仕掛けた罠にまんまと嵌まる伯爵を、心のうちに渦巻く寂しさを隠しながら厳しく見つめる伯爵夫人。
伯爵がどう出るかを見極めるスザンナ。
何も知らないフィガロと結婚式の参列者たち。