2025年09月

糸魚川の思い出③!

皆さま、こんにちは!ソプラノ 倉本絵里です!
思い出紹介の最終回になります。
ではどうぞ〜!



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☆ナレーションの参考資料。
前回の記事にも書いたとおりアウトリーチ公演《泣いた赤鬼 抄》には村人4人が登場しないため、本来彼らが担っているシーンをナレーター役の台詞で繋ぎます。
つまり、私のナレーションです。

私は北海道出身です。訛りがきつい地域の出ではないので自分では訛っていないと思っているのですが夫が申すに、イントネーションが標準語のそれからかなりかけ離れている、と。

そんなことはないだろうと原作を朗読している動画などで確認したところ、わぁお、思っていたのとかなり違う。苦笑。

マイクを通して原作の内容を正確に伝えられるように、参考にする音源をいくつか見繕って聴き比べをし準備しました。
そのうちのひとつがこのCD。フリマアプリで見つけました。有り難かったです。



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☆小道具の綴じ本です。
今回の演出では社会生活や人間関係が何だかうまくいかないナレーターが気分を変えるために慣れないハイキングにやってきて、山の中の切株に置いてあった綴じ本に魅入られるところからオペラが始まります。

その大事な小道具、実は私と私の姪っ子たちとの合作でした!

本のページ自体をつくったり文字を書いたのは私ですが、写真のおもて表紙とうら表紙は子どもたちの作品。
100円ショップで材料を全て調達し『これとコレを使ってこういう風なモノを好きなように作ってみて』とお願いしたら、こんなに素敵な作品をチャチャッと作ってくれました。
子どもの創造性って本当にすごいですね。驚きと感動でいっぱいになりました。
ステージで彼女たちとずっと一緒にいるような嬉しい気持ちにもなりました。
私の宝物。次に使うことがあるかはわかりませんが大切に保管したいと思います。


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☆演出・台本・構成の三浦安浩さんと。
初役となるナレーター役を任せていただきました。
ナレーター役の音楽は現在の私の声には少し音域が低く、もっと中音域が豊かに響くソプラノの方に適しています。

それを分かった上でそれでも今回の演出には私が必要だと仰ってくださったことが嬉しかったですし、作品の1ピースとしての務めを果たしたいと音楽面でも演技面でも最後のさいごまでジタバタと足掻きました。

頂戴した信頼に100%の結果でお応えできたか、今回は本当に、分かりません。
しかしナレーター役に挑戦させていただいたことで得るものがたくさんありました。
手にしたもの、届かなかったものをしっかりと分析して次の作品・次の演奏に生かしたいと思います。
あんこう先生(新国立劇場オペラ研修所で出会ってからずっとこの呼び方なので多分一生このままです)、ありがとうございました!





実力あるキャストさんたちとの共演、プロフェッショナル且つハートウォーミングな各セクションのスタッフさんたち、元気いっぱいの子どもたちの表情、作品を熱心にご覧いただいたお客様。
公演に関わってくださった全ての方に感謝してこの思い出を胸に次へ進みます。

長編ブログ〜糸魚川の思い出〜にお付き合いいただきまことに有難うございました!
ではまた😘





















☆おまけ☆
今回のメイクで使用したカラフルなアイシャドウやカラコン、今後の使い途に困っています。
何せ派手派手なので!笑。
これらを使って出来るお仕事、募集中です!
《魔笛》のパパゲーナ、とか?
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糸魚川の思い出②!

皆さま、おはようございます!ソプラノ 倉本絵里です!

今日も《泣いた赤鬼》の思い出をシェア。
どうぞ〜!



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☆糸魚川の海と山。美しかった!
9月19日はアウトリーチ公演《泣いた赤鬼 抄》の公演日。ホール入りのコール時間(この時間までにホールに来て公演のための準備を始めてください、という指示時間)より少し前にホテルを出て、海と山と空をしばしの間楽しんできました。
よく晴れていたこの日、水分たっぷりの空気をゆっくり吸って吐いて、心静かになることができました。


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☆糸魚川市民会館のステージからの眺め。
素晴らしい響きを持った歌いやすいホールでした。


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☆今回の大道具・小道具にはホンモノがたくさん!ステージ前面に置かれた切株も本物です。ここに座ったり隠れたりしました。
…ちなみに、この手前に写っている切株の切り口が私のお尻より面積が小さかったようでして 苦笑、バランスを崩して何度も落っこちそうになりました。


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☆ステージ中央にあるのは赤鬼の家と青鬼の家が背中合わせになった屋台。
これにはタイヤがついていてシーンに合わせて舞台袖に隠したり、ステージ上で回してシーン転換を表現したりしました。
いま手前に写っているのは青鬼くんの家ですね。
こん棒(金棒?)には獣を屠ったような血の赤色が付いていたりして、細かなところまで作り込んでありました。


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☆9月19日公演用のヘアメイクをして、衣装をつけて、台詞用にマイクを装着!
9月19日 アウトリーチ公演《泣いた赤鬼 抄》は登場人物を赤鬼・青鬼・ナレーターの3人に絞った凝縮版《泣いた赤鬼》。
※抄:書物などの一部分を抜き出して書くこと。抜書き。

浜田広介さんの原作をところどころナレーションで取り入れて作品を進めていきます。
つまり、ナレーターは歌ではなく【台詞】がとても多かったのです。
そして今回の演出におけるナレーター役の設定も相まって、歌以外の部分はすべてマイクを通しました。


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☆ 登場人物は赤鬼:上本訓久さん/青鬼:今井俊輔さん/ナレーター:倉本絵里の3人。
そして音楽チームのピアノ:井向結さん/パーカッション:斉藤裕子さんの演奏でお送りしました!

鑑賞してくれた小・中学生は赤鬼や青鬼が客席に降りて演じると色々な反応を示してくれました。
一緒に歌って踊る場面ではナレーターの声かけに合わせて元気よく参加してくれて頼もしかったです。感謝!!


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☆9月19日は《泣いた赤鬼 抄》の終演後にオペラ・コンサートと題したガラ・コンサートがありました。
写真左から、パーカッション:斉藤さん/ピアノ:井向さん/倉本絵里/構成・台本・演出:三浦安浩さん/演出助手:中山美和さん/テノール:上本さん/バリトン:今井さん

オペラが終わってから自分の出番まで、休憩と斉藤さん・井向さんのソロ演奏を含めて約30分くらい?その間に衣装チェンジ・メイクチェンジ・ヘアスタイルチェンジをしなければならず、バッタバタでした。
衣装の坂井田操さんの強力なサポートでわがままボディをドレスに押し込んでいただき 笑、安心してステージで歌うことができました。
この場をお借りして感謝申し上げます!

私のソロ演奏曲は、
☆山田耕筰 〈野薔薇〉
☆J. シュトラウスⅡ世 オペレッタ《こうもり》より〈侯爵様、貴方のようなお方は〉
でした。

〈野薔薇〉は北海道の道花であるハマナスのこと。演出の三浦安浩さんから『山田耕筰の歌曲を何か一曲お願いします』と言われた時にすぐにこの曲を思いつきました。
というのも私も共演者の井向さんも出身が北海道だから。道産子ペアなのです。
“蝦夷地の野薔薇” を知った時の作詞者 三木露風の感動をお届けできていたら嬉しいです!

打って変わってワルツに乗ってペラペラお喋りをしコロコロと笑う〈侯爵様〜〜〉では、ロンググローブを着けてファン(扇子)を持ってパーティーの華やかさを演出。そして韻を踏んだドイツ語の歌詞を楽しんでいただけるように歌いました!


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☆9月20日。カーテンを開けると空が裂けているような不思議な空模様でした。しばし見入ってしまいました。


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☆オペラ《泣いた赤鬼》仕様のナレーター役。演出設定である【仕事や人間関係で上手くいっていない。自分は周りの人たちと少し違うかもしれないが自分がおかしいとは思っていない。なんとか周囲に馴染もうとするがなぜか思うようにいかない】というキャラクターを思いきり表現するために、
  • カラーコンタクトレンズ装着(コスプレイヤーさんたちがつけるようなハッキリとした色味のものをチョイス!)
  • 金色に近い部分用ヘアエクステをつける
  • アイメイクは大胆にオレンジとラメのグリーンのアイシャドウで!
  • バッチバチのつけまつげ
  • チークも大胆に日焼け風メイク
をしました!



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☆終演後に全員で記念写真!
19日のメンバーに百姓:小山健太郎さん(テノール)/百姓の女房:北薗彩佳さん(メゾ・ソプラノ)/木こりの娘:竹村真実さん(ソプラノ)/木こり:小野寺陸さん(バリトン)が加わって、フルメンバーでお届けしました。

走ったり隠れたり、立て札を作って文字をガリガリと彫ったり。農作業や薪割りをしたり、戦う芝居をしたり鬼と戦ったり。お茶を飲んだりしりとりをしたり(側転を披露した人も!)。
歌って踊って笑って泣いて、舞台転換もスタッフさん含め全員参加で作品を作りました!








…ふう〜、長々とお付き合いいただきありがとうございました。
あと1回、続きます!
それでは、また😘


















☆おまけ☆
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《泣いた赤鬼 抄》のときの写真をAIで絵本風にしてみたらこんな感じに出来上がりました。
AIってすごいですね!鬼さんたちが可愛らしくてお気に入りです!



























糸魚川の思い出①!

皆さま、こんばんは!ソプラノ倉本絵里です!
たった3日間ほど離れている間に、あんなに残暑厳しかった東京がすっかり秋の涼しさに移り変わっていてビックリしています。

さて。
9月19日(学校公演)・20日(一般公演)の思い出などを何回かに分けてご紹介していこうかな、と思います。
お楽しみいただけますと嬉しいです。
それでは、どうぞ〜!



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☆9月18日、糸魚川入り(いり)。
東京駅で新幹線が三色揃った一瞬。テンション上がります。


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☆やはり顔がいい。新幹線の中で北陸新幹線が一番好きですね〜。
はくたかに乗っていざ糸魚川へ!


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☆のり弁をミニサイズにしたのは…

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☆デザートとコーヒーをいただくため!笑。
普段、本番前は果物をあまり食べないようにしているのですが(果汁に喉がやられる可能性があるため)、この日はなぜかどうしても食べたくなって購入。
クリームやフルーツが美味しいのは予想していましたが食パン自体も美味しくて嬉しい驚き。


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☆広い楽屋をひとりで使わせていただくという贅沢。有難いことです。
今回はメイクアップもヘアセットも自身で行うので鏡前が道具類で大渋滞でした。(道具や衣装、小道具を持ち込むためにスーツケースは宅急便で先にホテルへ。ピックアップしたのちホール入りでした)


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☆ケータリングでいただいたもの。
お水はボトルが細くて持ちやすく非常によかったです。
おまんじゅうは稽古・本番終わりにホテルのお部屋でひとりゆっくりと落ち着いて味わいました。

糸魚川は翡翠の産地なので【ひすいまんじゅう】。


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☆9/18〜20、お弁当をご用意いただきました。どのお弁当もとてもおいしかったです。
(タイトスケジュールの公演の場合、本当にホールに缶詰めになるのでお弁当が美味しいのは有り難いことなのです。)

2枚目写真のチャーシューは、糸魚川市能生(のお)にある有名なラーメン屋さん【あさひ楼】のもので、特別デリバリー。
ご店主でご自身もテノール歌手として活躍、そして今回私たちと糸魚川のご縁を繋いでくださった渡辺直人様からの差し入れでした。
19日のアウトリーチ公演に出演するキャストやスタッフたちは能生のお店に立ち寄る時間が取れなかったためお心遣いをいただきました。
次回は是非、お店に伺いたいです!!


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☆青鬼役 今井俊輔さんのファンの方がわざわざ楽屋にお送りくださったという【泣いた赤鬼オリジナルパッケージ珈琲】をお裾分けいただきました!とってもオシャレで可愛くてバックヤードで大好評でした。
コーヒーも私の好みドンピシャの美味しいお豆でバタバタするリハーサルや本番続きの癒しでした。


…食べ物ばかりのご紹介になっていますね。ビックリです。
ちゃんと稽古・本番、やりました!!!!!
次回はその辺りをご紹介したいと思います。
ではまた😘


















【御礼】《泣いた赤鬼》終演!

兼ねてからご案内させていただいておりました糸魚川市主催〜未来へつなぐ音楽の灯コンサート〜オペラ《泣いた赤鬼》は本日無事に終演いたしました。
ご来場とご高覧を賜りましたお客様、また、9月20日の本公演に先立って19日に開催されたアウトリーチ公演《泣いた赤鬼 抄》&オペラ・コンサートを観劇・参加するために糸魚川市内から集まってくださった小中学生の皆さま、ありがとうございました。

近くから遠くから応援の気持ちをお寄せくださいました皆さま、キャスト・音楽スタッフ・演出部スタッフ(演出・舞台・照明・音響・衣装・制作)・会館及び主催スタッフの皆さまにもこの場を借りて深謝申し上げます。
少数精鋭でそれぞれが自身の仕事をきっちり、丁寧に、そして明るく努めていく、そんな座組に参加させていただき沢山勉強させていただきました。

今回の公演の企画段階から私どもを力強く、また温かくサポートしてくださった渡辺直人様から「公演のタイトルにある通り【音楽を未来につなげていく】ことが叶った公演になりました。やってよかった。」とご挨拶を賜りました。
これは私にとっても何より嬉しいこと。この思いが大きく強く広がっていくようにほんの小さなパーツの私ですが精進しなければならないのだな、と感じました。



ナレーター役のデビューでした。
最後のさいごの、本当に最後まで悩んで苦しみました。
今できる精一杯をステージに置いてきました。
またいつか会いたい、そしてその日まで、さようなら、ナレーター役。

2025年9月20日
ソプラノ 倉本絵里

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☆糸魚川市民会館の入り口に大きな公演看板!

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☆25年9月19日 《泣いた赤鬼 抄》&ガラ・コンサート/9月20日 ガラ・コンサート&オペラ《泣いた赤鬼》のプログラム。

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☆《泣いた赤鬼 抄》ヴァージョン ナレーター役 倉本絵里

















雨やどりをしながら!

皆さま、こんにちは!ソプラノ 倉本絵里です!

いま、タイトルのとおり、雨やどり中です。
お買い物が思ったより長引いてしまったらゲリラ豪雨に遭遇(日本語が不確かです。お恥ずかしい。)してしまいました。
あいにく今日は傘を持って家を出なかったので急遽雨やどりと相成りました。
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早すぎる雲の流れや激しい風雨の様子を眺めていると安全な建物の中にいる、すぐに止むと分かっていても恐怖を感じますね。
太陽が出ている明るい時間のはずなのに暗い、というだけで不安になってしまうんだな、と改めて感じました。
もっともっと酷い自然災害に直面した方々が感じた恐ろしさを想像するだけで心臓がバクバクざわざわしました。

この突然できた思考を巡らせる時間に感謝しつつダダダっと思い浮かんだことを書いていこうと思います。


☆本日は9月11日。
2001年にはアメリカのニューヨーク・アーリントン・シャンクスヴィルで同時多発テロが発生しました。
当時テレビで繰り返し流れた映像はまるで映画の1シーンのようで、現実に起きていることだなんて全く信じられなかったのを覚えています。
テロの犠牲になった方、その後のPTSDにずっと苦しんでいる方の心に少しでも平安の時が多くありますよう心からお祈り申し上げます。

☆2013年の9月11日には夫でピアニストの巨瀬励起と初めてのジョイント・リサイタルをしました。(主催:ミューザシード)

☆もう約一週間前になってしまいますが、9月6日に東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の第381回定期演奏会に行ってきました。
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プログラムはG. ヴェルディ作曲 歌劇《ドン・カルロ》。演奏会形式ではありましたが正に【声で演じる】のとおり、動きや衣装、舞台装置やライティングがなくとも、十分に楽譜に書いてあるドラマを感じさせてもらいました。

ヴェルディ作品にはあまりご縁がない私ですがこの《ドン・カルロ》は私が新国立劇場オペラ研修所の1年次、夏の試演会で第一幕・第二場(サン・ジュスト修道院の回廊の場面)を取り上げ、合唱メンバーとして参加していたので当時を思い出し懐かしく拝聴しました。

メゾ・ソプラノ役のエボリ公女やスペイン王・フィリッポ2世の心の動きは生々しく、(良くも悪くも)人間味があふれているので感情移入してしまいますね。

オーケストラの定期演奏会ですので、いつもはオーケストラ・ピットで演奏しているオケがステージいっぱいに広がって、ヴェルディの書いた音楽それ自体も興味深く耳を傾けることができました。
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☆終演後のオペラシティ。秋の夕暮れが窓に映ってきれいでした。
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☆9月に入ったので(?)秋色ワンピースを解禁。お気に入りですが、なんとなく出番が少ないワンピです。


あぁ、やっと雨が止みました。
では残りの買い物を済ませるとしますか!
では、また😘