今週は全国的に暑い(暑すぎる!)日が続くそうです。まだ体が暑さに慣れていない時期ですからいつもより一層、水分補給・体温調節に気をつけて過ごしましょう。
さて、6月13日のソロ・リサイタルの思い出、そしてアレヤコレヤをざざっとシェアしたいと思います。
では、どうぞ😘

☆2016年以来のムジカーザでの演奏でした。
リハーサルのために足を踏み入れた瞬間に『とても嬉しい』という感情が湧き上がってきました。
本当に響きの良いホールです。
この響きに身を(声を)任せてシンプルに歌うことを目指しました。

☆奏者から見える客席。もう少し左右に広がりがあります。天井が高く、歌っていると自分の背がどこまでも伸びていくような感覚になります。
プログラム一曲目の〈愛おしい木陰よ Ombra mai fu〉ではこのホール全体が大きなプラタナス、床全体に根っこが広がっていてそこから上がってくる水やエネルギーのようなものを私自身が汲み上げて声となって出ていくイメージで歌いました。
そうすると照明はキラキラと輝く木漏れ日になり、耳を傾けてくださるお客様は歌詞にある美しい枝葉・優しい木陰、つまり私をあたたかく大らかに包み込んでくれる愛おしい存在としてとても近くに感じられ、体の中心から温かいものが溢れ出てくるのを感じていました。

☆ピアニストの巨瀬励起さん。
20年以上前からムジカーザでピアノを弾く機会が沢山ある巨瀬さん。楽器の響きもホールの鳴りも熟知しています。リハーサル中にも的確にアドバイスをくださいました。

☆今回はヘアスタイルにもこだわって。
着用するドレスやプログラムの内容にも添うようにセットしていただきました。こんなに高い位置まで結い上げたのは久しぶり。360度どこから見てもお気に入りでした!

☆声で巡る世界の旅〜2025年のシリーズは残すところあと5回です。(vol.23_3/15に予定されていた竹多倫子さんリサイタルは12/9 19時に延期となっています)
vol.27_7/19出演_立川清子さん
vol.29_10/11出演_柴田紗貴子さん
vol.30_11/19出演_吉田和夏さん
は私の新国立劇場オペラ研修所での同期(13期生)たちです。
立川さんとはロンドン留学時に10ヶ月間ルームシェアをしていました。私のリサイタルにご来場いただいたお客様には 私の“くりやの歌” エピソードの目撃者として彼女をご紹介したことが記憶に新しいはず。この事件以外にも色々なことを一緒に体験し、泣いたり笑ったり驚いたりしました。とても懐かしいです。
また、現在彼女はオランダに住んでいてオランダ国立歌劇場(蘭:De Nationale Opera & Ballet)のDe Nationale Opera所属メンバーとして活躍しています。上演オペラのプロモーション動画に彼女が映っていると嬉しくて、その部分を何度も見てしまうくらい彼女の活躍に胸を躍らせる私です。
オランダのオペラ界の興味深いお話しやロンドン留学時のエピソードも聞けるかもしれませんね!
柴田さんの演奏予定曲《ああ!何という戦慄が Dieu! Quel frisson court dans mes veines》はC. グノー作曲のオペラ《ロミオとジュリエット Roméo et Juliette》でジュリエットが毒を呷るシーンで歌われます。
私が今回のリサイタルで歌ったV. ベッリーニ作曲のオペラ《カプレーティ家とモンテッキ家 I Capuleti e i Montecchi》の服毒シーンと比べると音楽の違いもさることながら、ジュリエット/ジュリエッタのキャラクター(性格)にも大きな違いがあることが分かります。
この理由は、グノーはシェイクスピアの戯曲《ロミオとジュリエット》、ベッリーニ作品はイタリアで発生した伝承やL. ダ・ポルトの物語(小説?)《ジュリエッタ 》などを作品のベースとしていることに起因します。
グノーのジュリエットは精神的にまだ幼く、彼女の世界はロミオと彼との燃え上がる恋を中心に回っています。
対してベッリーニのジュリエッタの世界の中心は家(一族・社会)であり、ロメーオを純粋に愛しながらも自分の行いが家にもたらす影響を常に考えてしまう分別ある女性として描かれていると思います。
【若者たちのラブロマンス】にフォーカスし二人の悲劇を描いているグノー作品、【家同士の争いがもたらす悲劇】を恋人たちを通して描き出すベッリーニ作品、という感じでしょうか。
音楽の違いとともに柴田さんが表現する詞の内容にもぜひ注目してみてください!
吉田さんはアイルランド民謡《夏の名残のバラ The Last Rose of Summer》をイギリス人作曲家B. ブリテンが編曲したものを演奏予定曲としています。
この民謡は日本では《庭の千草》として広く知られていますが皆さま、ご存知でしょうか?
私のリサイタルでも触れましたが、アイルランド・スコットランド・イングランド民謡は多くの作曲家たちがそれぞれの解釈で編曲をしています。是非ビビっとくる一曲を探してみていただきたいです。
《夏の名残のバラ》に関していえば私はブリテン編曲版が一番のお気に入りで、2018年の【Pivot!ディナータイムコンサート〜英米歌曲の夕べ】でもご披露いたしました。
吉田さんの声にピッタリの一曲だと思うので沢山の方に聞いていただきたいです!
研修所生活3年間の苦楽を共にした仲間たちが12年の時を経てこのような形で一堂に会することになりました。レパートリーも性格も、全く違う私たちのプログラムを聴き比べていただくのも楽しいのではないでしょうか?

☆2013年3月_修了オペラ公演《カルディヤック》初日の4人。

チケットご予約方法に関しては私の時と同じですので、いま一度ブログ記事をシェアしておきます。
ご興味おありの方はお早めにご予約くださいませ!!